奥多摩湖の桜
東京都西多摩郡奥多摩町原(見はらしの丘)
気象庁の桜満開宣言(3月22日)からもうひと月近くが経とうとしている。いくら山の春が遅いと言っても、さすがにソメイヨシノは終わっていた。
とは言え、山のサクラは種類がさまざま。ソメイヨシノが終わっても咲いている種類はまだまだある。見所は大麦代トンネル上の山腹に広がる見はらしの丘。白や薄桃色のサクラが山の斜面を彩る景色は、微妙な色の変化が水彩絵の具を薄く溶いて流したようだ。ソメイヨシノの派手さはないけれど、芽吹いた若葉と一緒に咲いている様子は、春の訪れをしみじみと感じさせてくれる。
自転車を置いて山道を登っていくと、つづら折りの角ごとに色合いの違うサクラが現れて楽しくなる。振り向けばサクラの花越しに奥多摩湖の絶景が眼下に広がる。
作られた公園ではあるけれど、街中の作られすぎたそれとは違って、大自然の中で見るサクラの景色は素晴らしい。ここまで頑張って走ってきた苦労が、十二分に報われる眺めだった。
(参考)2013年の東京の桜開花宣言は、3月16日でした。