調布村道路元標
東京都青梅市長淵4-437 青梅市立第二小学校前吉野街道
以前から、青梅にある「調布」という地名が気になっていた。現存する地名ではないけれど、秋川街道が多摩川を渡る「調布橋」や、その付近で吉野街道の山側を並走する「調布東通」「調布西通」などにその名が残っている。
明治22年(1889)の町村制施行時に誕生した、北多摩郡調布町(現在の調布市の一部)、荏原郡調布村(田園調布など)、西多摩郡調布村(現在の青梅市の一部)は、共に、律令時代の租税「調」に関連している。清流を利用した織物産業で栄えた歴史の記憶を留める多摩川ゆかりの地名だ。
現在は、調布市以外では、混同を避けるために別の名前に変わってしまった。調布に住んでいる身としてはそれを、煩わしくなくて良いと思う一方で、仲間を失った一抹の寂しさも感じていたりする。
青梅で調布の名前を見つけたのはこれで3例目。しかも道路元標と言うことは、ここが旧調布村の中心地なのだろう。ただそれだけのことなのだが、なんだかうれしくて、帰り道の足がかなり軽くなった。