鹿島玉川神社
東京都青梅市長渕2-519
参道の両側に、狛犬に並んで大岩が鎮座している。向かって右の岩には注連縄が巻かれ、左の岩の上には小さな祠が祀られている。神社とこの岩に直接の関係はないけれど、昔から土地の人がこの大岩を畏れていたことから神社を勧請するに際してこの地が選ばれたということらしい。
境内は広く、整地されて小学校の運動場のようになっている。そこに、近在の子供達全員が集まったのではないかと思うほどにたくさんの子供達が遊んでいる。大岩のまわりも、祠のある岩に登ったり下りたり、岩陰に隠れた仲間を捜して走り回ったりする子供達で賑やかだ。
大岩の背後の楓の木の前に、2基の石碑が建っていた。楓を守る柵を作った記念碑と、その柵に使われていた鎖が戦時中の金属供出で失われ、それを復活させた記念碑だ。
肝心の鎖はすでに錆びて役目を終え片隅にうずくまっている。失礼ながら、わざわざ石碑を建てて記念するほどの存在には見えないけれど、そんな鎖一本の鉄材をも供出しなければならなかったあの戦争の異常さ、大日本帝国の狂気を訴えたい。そんな人々の思いがこの碑には込められているのかもしれない。