2013年5月21日(火)

柴又帝釈天

東京都葛飾区柴又7-10-3

帝釈天門前

20代の頃に尾道に行ったことがある。そこで林芙美子の名前を初めて聞いた。「放浪記」で有名な作家が多感な少女時代をこの地で過ごしたのだという。知らなかったのは単にわたしの無学の故なのだが、彼女がすでに往時ほどの人気を保っていなかったのも事実ではある。

瑞龍松

当時の尾道は映画監督・大林宣彦の尾道三部作の舞台としての方が、よく知られていたように思う。今ならNHKの朝の連続テレビ小説「てっぱん」の主人公「おのみっちゃん」か。

葛飾柴又といえば「寅さん」。映画「男はつらいよ」シリーズが終了して15年以上が経つけれど、いまだに人気は衰えていないようだ。そんな柴又にも、いつかは「寅さんって誰?」と言われるような時が来るのだろうか。夕暮れが迫って人影がまばらになった帝釈天の参道で、ふと、そんなことを思った。

尾道でもう一つ初見参だったものが持光寺の「臥龍の松」。松の枝が龍のように長々と地面を這っていたのだが、それまで両手を広げて踊るような立ち姿の松しか知らなかったので驚いた。10m以上ある枝を水平に延ばした瑞龍松を帝釈天の境内で見てそのことを思い出したので、柴又なのに尾道の話を長々としてしまった。

尾道の臥龍の松は、残念ながら平成10年(1998)に枯れてしまったそうだ。

葛飾区教育委員会の説明板