宮古駅
岩手県宮古市栄町4-4
盛岡から宮古へ行く鉄道、JR山田線は平日ダイヤでは1日5往復しか走っていない。東日本大震災の影響で宮古−釜石間が不通になっているための特別ダイヤとは言え、もともと列車本数の少ない路線であったことは確かだ。
「陸の孤島」といわれていた岩手県三陸沿岸地方と内陸部を結ぶ初めての鉄路として、険しい北上山地を越えて盛岡−宮古間が開通したのは昭和9年(1934)だった。その後、線路は南北に延びていったけれど、宮城、岩手、青森、三県の沿岸部をつなぐ三陸縦貫鉄道が全通したのは昭和59年(1984)のこと。旧国鉄が実現できなかった最後の区間、田老−普代、吉浜−釜石を第三セクターの三陸鉄道が引き継ぎ、それぞれ三陸鉄道北リアス線、南リアス線として完成させた。
三陸鉄道宮古駅前には、山田線の開通を記念する「鐡道開通記念碑」と「三陸鉄道いま成る」の碑が建っている。それぞれの碑には、鉄路の開通を待ちわびた人々の熱い思いが反映されている。
震災によって、今また三陸地方の路線は寸断されている。被害の大きさもさることながら、利用客が少ないこともあって一部の区間では復旧のメドも立っていない。地元の方々や旅人の、全線復旧の願いが叶う日は来るのだろうか。
※ 2014年4月6日に小本−田野畑間が開通し、三陸鉄道(北リアス線、南リアス線)は全線再開しました
※ 2019年3月23日にJR山田線が三陸鉄道に移管され、盛〜久慈間163kmが三陸鉄道リアス線として全通しました