2013年7月9日(火)

松尾の滝

東京都あきる野市戸倉 千ガ沢(盆堀林道)

松尾の滝

アプローチは最悪だ。

盆堀林道の勝負口から分かれる千ガ沢林道の入口には通行止めのチェーンが二重に張られ、道は生い茂った草に埋もれている。しかも、途中では崖崩れが発生していて崩落した岩が道を塞いでいる。

松尾の滝全景

林道入口に自転車を置いて20分ほど歩くと滝の音らしいものが聞こえてくるのだが、林道の右下に流れているはずの千ガ沢は、はるか下で木々に覆われていてちらりともその姿は見えない。

左手から流れ込む沢に半分落ちるようにして降り立ち、林道の下を潜る波板の通水管を通って反対側に出る。通水管は下り勾配で、しかも出口に掛かっているハシゴは今にも折れそうだ。

足もとも見えないほどにヤブに覆われた沢を、棘のある草やクモの巣と戦いながら降りて千ガ沢本流に降り立った時には、心も体も折れそうになっていたけれど、本流の奥に見えた松尾の滝の姿がその気持ちをいっぺんに晴らしてくれた。

一跨ぎで越えるような小滝をいくつか連ねた先に高さ15mほどの大滝が落ちている。黒々とした岩壁に真っ白な飛沫が落ちる様が緑の山に映えて美しい。今回は水陸両用のアウトドアシューズを履いてきたので、思う存分水の中にはいって涼を楽しむこともできた。

暑い夏は山に入り、緑陰に憩い渓流や滝で涼むのが一番。とは言え、いかんせんここへ来るまでの道が暑くて敵わない。「どこでもドア」があればいいのだが、それでは自転車に乗る楽しみがなくなってしまう。熱射病の危険を冒してまで炎天下の多摩サイを走るのを楽しみというか、という問題はあるけれど。やっぱり、苦労してこそのありがたみ、ということもあるからね。

去年の記録 | アプローチの通水管