旧陸軍野砲兵第一聯隊兵舎
東京都世田谷区下馬2-37-1
日本の木造建築は燃えやすく朽ちやすい。寺社建築や旧家のお屋敷は別として、一般庶民が暮らすような家はほとんど数十年で建て替えられてしまう。
世田谷区下馬の一角に、旧陸軍野砲兵第一聯隊の兵舎が一棟だけ当時のままの姿で残されている。終戦から数えて約70年。実際に建てられたのはそれ以前だろう。聯隊がこの地に移転してきたのは明治41年(1908)だから100年近い歴史を経ているかもしれない。
東京世田谷韓國会館の看板が掲げられ、いまだ現役で使用されているようだが、窓はひしゃげ、屋根は波打って傷みは激しい。周辺に散らばる旧軍関係の遺構の一つとして見に来たのだが、それ以上に、歴史を経た木造住宅の姿として興味深いものがあった。