2013年11月19日(火)

稲村岩

東京都西多摩郡奥多摩町日原

稲村岩

奥多摩駅周辺の賑わいを後にして、人影も家もほとんど見かけない日原街道を走ってきた。倉沢橋を過ぎ、石灰岩採掘場の下をくぐる長いトンネルを抜けると、急に視界が開けてたくさんの家が並ぶ日原の集落に出る。日原川の谷を隔てて、集落に住む人々を見守るように聳えているのが稲村岩だ。

日原

久しぶりに見る稲村岩はなんだか少し太ったような気がした。

どこの山に登った時だったか忘れてしまったけれど、高校の山岳部時代、東日原のバス停で帰りのバスを待つ間バス停脇の石垣に登ってロッククライミングの練習をした記憶がある。あの時に見た稲村岩はもっとスリムで、岩壁の露出も多くて凛々しかったような気がするのだが…。

何千年も何万年も前からある自然の姿がそんなに易々と変わるはずはないから、きっと見る私の側の心象風景が変わったと言うことなのだろう。血気盛んなクライマーだった昔と、人生も後半になって舗装された道ばかりを走っているゆるい自転車乗りの気持ちの違いが岩峰に映って見えたのかもしれない。

今度来た時はあの岩の頂上に登ってみようかな。ふと、そんな思いが胸の内をよぎった。