長坂橋地蔵尊
東京都多摩市鶴牧2-25-3 付近
多摩ニュータウンを貫いて流れる乞田川を遡っていくと、小田急線唐木田駅付近、鶴牧西公園の手前で水路が途切れた。流れは暗渠になって遊歩道の下に吸い込まれていく。その遊歩道もほどなく終わって、その先にポツンとお地蔵さんが立っていた。
お地蔵さんの傍らに立っている案内に寄れば、ここには長坂橋という橋があったようだ。橋が架かるほどの、それ相当の流量のある流れがかつてはまだ上流へと続いていたのだろう。今はその面影も見えない。
お地蔵さんは元禄十三年(1700)に建てられたのだという。案内板はその来歴を知る個人が立てたもののようだ。新しい建物が林立し、住民が総入れ替えになってしまったようなニュータウンにも、昔からの人が残りこうして歴史を守り伝えている。
なんだか心がほっこりするような出合だった。