光明眞言供養塔
東京都町田市根岸町1004地先
ふと通りかかった橋の親柱に「両国橋」という名前を見つけた。境川はその名のとおり東京都と神奈川県、かつての武蔵国と相模国の境を流れている川だから、その両方の国を結ぶ橋という命名だろう。ちなみに両国国技館のある隅田川の両国橋は武蔵国と下総国を結んでいた。
橋の下流側の、サイクリングロードと一般道路に挟まれた三角洲のような場所に古い石碑が集められていた。まん中の大きな碑には「光明眞言供養塔」とある。裏の記銘は読みにくいが、文政二年(己卯、1819)か文化四年(丁卯、1807)のように見える。
傍らに建つ遷座記念碑に寄れば、いわゆる塞の神として国境に建てられたものだという。そういえば、ここへ来る途中、共和橋の近くにも道祖神が祀られていた。道祖神も集落の境を守る塞の神だ。
人の往来が自由になって境界を意識することが少なくなった現代でも、神様はじっと有事(?)に備えていらっしゃるのかな。