宏善寺のシダレ梅
東京都町田市本町田3409
梅は地味な木だと思ってきた。
梅の木を描く時には、黒々と幹と枝を描いてぽつりぽつりと小さな花を散らす。寒空の下、春を待ちわびて控えめに花を開く、侘び寂の世界が似合う木だと思っていた。
ところが、このシダレ梅はそんなイメージを吹き飛ばして絢爛豪華に咲いている。そのふくよかなボリューム感が素晴らしい。たくさんの花が集まった梅林の景色を、たった一本の木で体現している。
最近は桜にお株を奪われているけれど、万葉の時代には花見と言えば梅。真っ先に春を告げる花として尊ばれてきた。
春だ、春だ、おーい、春だぞぉー。そんな声が聞こえてくるようだ。