玉川上水の碑 / 境水衛所跡
東京都武蔵野市関前5-21
玉川上水沿いの道は都内でも屈指の散策コースだが、いわゆるサイクリングコースがないので自転車乗りにはおもしろくない。それでしばらく足が遠のいていた間に、千川上水との分岐点付近がきれいになっていた。
昭和56年(1981)に日本紀行文学会が建てた玉川上水の碑のまわりは、以前は草木が鬱蒼と茂って良くも悪くも武蔵野の自然を感じられるスポットだったのに、きれいに伐採されてポケットパークになっている。きれいではあるけれどなんだか物足りない。これではタヌキも住みにくかろう。
説明板に寄れば、ここは江戸時代の水番所の跡だったそうだ。江戸の水道水に利用されていた玉川上水の水量と水質を守るために番人を置いた場所だと云うことだが、現在も柵が設置されて流れてきたゴミをせき止めている。まわりがきれいになった分、投棄されたゴミが目立つようになった。
飲料用のペットボトルが世に出たのは1982年。コンビニ弁当が広まったのもその頃からだ。子供の頃の遠足には弁当箱と水筒を持っていったのに、大人になって散歩する時にはゴミが出るものばかりを利用するようになってしまった。溜まっているゴミにもペットボトルが目立つ。
水衛所に流れ着いたゴミを見ながら、安易な便利さに流されないようにしなくては、と改めて思うのだった。