ねむの木の庭
東京都品川区東五反田5-19-5
美しい女性に捧げるバラ。花束にして贈られるのはもちろん、新しく造られた品種にその名を冠することもある。女優や王侯貴族の名前がついたものも少なくない。平成天皇の皇后・美智子さまにも皇太子妃時代に贈られたバラがある。
その名も「プリンセス・ミチコ」。昭和42年(1967)に英国のディクソン社から献呈されたものだ。
そのバラが、美智子さまのご実家である正田家の跡地を利用した「ねむの木の庭」で見頃になっている。平日の午前中にもかかわらず、TVや新聞で話題になったバラを一目見ようと集まった人たちが、それほど広くもない園内にあふれていた。
バラ以外にもたくさんの花が咲いていて、いくつかには、美智子さまが詠まれた歌が添えてある。そうしてみると、ありふれた花でも高貴なもののように見えてくるから不思議だ。
バラの手入れをしていた職人さんが、盛りが過ぎて切り落とした花を配っていた。…と言うよりは、おばちゃんたちがおねだりしてもらっていたと言うべきか。厚かましいというか微笑ましいというか、おばさんたちの行動にはいつどこで見ても苦笑いしてしまう。