2014年7月29日(火)

図書塚公園

東京都八王子市諏訪町25

図書塚

燃えるようなサルスベリの花に惹かれて足を止めた。児童公園のようだが、遊具は奥の方に申し訳程度にあるばかり。植木畑のような、あるいは立ち退いた家の跡をとりあえず公園にした、といった雰囲気が漂っている。

サルスベリ

公園に入って右手の木陰に小さな碑が建っていた。

盛り土をした上に、鏡餅のようにもう一段コンクリートの丸い塊が載っている。その上には本の形をした石碑。公園の名前になっている「図書塚」だ。

碑文にある「平井鉄太郎先生」は、明治から昭和のはじめにかけて地元で教員・校長を務めた方で、教育のために役立てようとして集めていた膨大な蔵書を戦火で失ったのだという。この場所は彼の旧居跡で、碑の下には灰燼となった図書が埋められている。

八王子の埋もれかけた庶民の歴史を発掘し、「絹の道」の命名などでも知られる郷土史家の橋本義夫氏が発起人となって建てられた碑のひとつだった。

碑 文