Villa Bianca
東京都渋谷区神宮前2-33-12
以前、映画か何かで宇宙ステーションを組み立てるシーンを見たことがある。ユニット化された居住空間が滑るように集まって来て、音もなく全体像が組み上がっていくのだが、その滑らかな動きが印象深かった。
「ガキーン」「ガシャーン」という機械的な合体ではなく、たとえば、映画「2001年宇宙の旅」(1968)でHALのメモリーがスーッと抜かれるときのあの感じ。あるいは、みんなのうた「テトペッテンソン」(2002)で表現された立方体のあの動き。
そうやって出来上がった宇宙ステーションはこんな感じだったかな、と思わせる不思議で未来的なイメージのマンションが、明治通りを走っていたら目に飛び込んできた。積み上げられたガラス張りの箱が宙に浮いているように見える。ロケットが龍になって飛び立っていくような非常階段もかっこいい。
設計は堀田英二。昭和39年(1964)に建ったというからもう半世紀も前の建物だが、今見ても新しい感じがする。