八百霊地蔵尊
東京都江東区森下5-13
大横川に架かる猿江橋の西北側の橋詰にお地蔵様が祀られている。傍らの由来碑によれば、東京大空襲で亡くなった深川高橋五丁目の町民を慰霊するために建てられたのだという。
たとえば多摩地区への空襲には、中島飛行機など軍需工場を攻撃するという名目があったけれど、東京大空襲は明らかに民間人を狙ったものではなかったか。勝者であるアメリカは裁かれることなく、その後も各国で空爆を繰り返している。
先月(7月23日)、イスラエル軍によるパレスチナのガザ地区への空爆・民間人の殺害に対して、国連が非難決議を採択した。勝者の正義ではない、人類普遍の正義が行使され和平に向けて進展していくことを願う。
東京大空襲の被害規模については統計の取り方によって諸説あるが、一説には10万人以上が亡くなったとされている。すべての方々を慰霊するには、一体どれだけの数のお地蔵さんが必要になるのだろうか。
大横川の向こうに、地上のすべてを超越して聳える巨大なスカイツリーが見えた。その姿はまるで、亡くなられた方々の魂を慰める白衣の地蔵菩薩のようだった。