わかめ養殖発祥の地碑
岩手県大船渡市末崎町大浜39 民宿海楽荘
好き嫌いの多いわが家の息子は味噌汁を飲まない。代わりに飲むのがわかめスープ。それが、震災の時に品切れになって、わかめの産地が三陸だということを初めて知った。
それまで、わかめがどこでどのように生産されているかなんて考えたこともなかった。あえて考えろと言われれば、小松菜を収穫する農家の絵が浮かんでくるのだが、わかめは海産物だからその発想はおかしい事にすぐ気づく。
「どこで」はその時にわかったが、「どうやって」を知ったのは今回の三陸行きでのことだ。わかめ養殖発祥の地の記念碑を見つけて、ワカメが養殖で生産されていて、それが三陸から始まったことを知ったのだった。碑の後ろには、ワカメ漁が再開した碁石浜の海が広がっている。
ワカメ自体は昔からあるけれど、養殖によって市場に出回る量が増えたのは昭和30年代。昭和50年代には乾燥ワカメが開発され、スープやラーメンなどのインスタント食品に利用されて需要が伸びたのだそうだ。そう言われてみれば、子供の頃の味噌汁の具にワカメはなかったような気もする。会社の同僚の実家が立ち食いそば屋をやっていて、ワカメそば・うどんが一番儲かると教えてくれたのもそのころだった。
震災の翌年には三陸のワカメも復活したけれど、品薄になった時期に韓国産や中国産のワカメが入ってきて、今や国産ワカメの地位を脅かす存在になっているという。
息子は今日も何事もなかったように三陸のワカメスープを飲んでいる。復興支援とかそういうのとは関係なく、彼はこれからもワカメスープを飲み続けるだろう。わたしも少し意識してワカメを食べるようにしようかな。