2014年11月2日(日)

希望のかけ橋

岩手県陸前高田市気仙町

希望のかけ橋

陸前高田市中心部の海側、奇跡の一本松の周囲には、さながら大規模コンビナートのパイプラインのように何本ものベルトコンベヤーが錯綜する光景が広がっている。去年の北三陸で見た、キリンの群のようにたくさんのパワーショベルが働く姿にも驚いたけれど、それ以上に衝撃的な光景だ。

パイプライン

西側を流れる気仙川対岸の今泉地区の高台では、宅地造成のために山を切り崩して区画整理事業が進んでいる。そこで出た土砂をコンベヤで運んで、津波被害にあった地区をかさ上げするための盛り土に使用するのだという。今年の春(2014年3月)に完成した土砂運搬専用の巨大な吊り橋は、地元の小学生によって「希望のかけ橋」と名付けられた。奇跡の一本松と共に復興のシンボルとされている。

こんなに大がかりな工事を行わなければ復興しないほどに被害が大きかったのか、という驚きと、こんなにモノと時間をかけてもまだ復興できないのか、というもどかしい思いがない交ぜになって、なんとも複雑な気持ちになる。一本松はモニュメントとして残りつづけていくだろうけれど、このベルトコンベアは一日も早くその役目を終えて欲しいと願うばかりだ。

※ 2015年9月15日を以て土砂の運搬作業は完了し、10月からベルトコンベアの解体作業が始まりました。
「希望のかけ橋」も含めて2016年9月までにはすべて撤去される予定です。

陸前高田市被災市街地土地区画整理事業の工事について