2014年11月6日(木)

直島町役場

香川県香川郡直島町1122-1

直島町役場

安藤忠雄の建築と調和した、ストイックで思索的な現代アートを見ようと直島にやって来た。期待に胸をふくらませて港から乗り込んだバスの窓から、最初に飛びこんできたのがこの建物。目が点になった。

裏

約束が違うんじゃないか?

日本建築のいろいろな部分をコラージュというか継ぎ接ぎしたようなこの建物は、昭和58年(1983)竣工の直島町役場。80年代後半のベネッセ誘致に先だつ昭和45年(1970)から、石井和紘の設計によって展開されてきた「直島建築」と呼ばれる一連の公共施設建設プロジェクトを代表する作品だ。

設計の参考にされたという飛雲閣(国宝・非公開)は、京都の本願寺にある室町時代に建てられた建物で、元祖とんでも建築と言いたくなるような不思議な姿をしている。それを現代風に解釈したデザインのこの建物は、直島飛雲閣の別名でも呼ばれており、現代アートと建築の島として有名になった直島の歴史を語るうえでは欠かせない大切な建築なのだった。