2014年11月2日(日)

万人施宿塔

陸前高田市米崎町沼田

万人施宿塔

ツール・ド・三陸のコース終盤、浜田川沿いに走ってきた道が県道141号に突き当たる。その丁字路の正面に大きな石碑が建っている。ここを右折すると、もうゴールは間近だ。

碑文には「万人施宿塔」(まんにんせしゅくとう)と大書された横に「天保七丙申」(1836)と建立年が彫られている。江戸時代の飢饉の記憶を伝える碑だ。

川に沿った空き地は冬枯れの田んぼのようにも見えるけれど、よく見れば家の土台のようなコンクリートの跡が見える。広々とした周囲の景色は津波の跡なのだ。この碑も横倒しにされて、やっとこの春に修復された。

歴史的な遺蹟ではあるけれど、わざわざ遠くから来て見るほどのものではなく、観光協会のHPでも紹介はされていない。検索をして見つかるのは、津波で倒されたものが復旧したという、本題とは別の記事ばかりだ。

道ばたのなんでもないお地蔵さんとかこの石碑のような、ささやかな散歩ネタを拾ったBLOGがたくさん書かれるような普通の生活が戻ってくるのは、いつのことになるのだろうか。

史跡復元委員会の説明板