宗四郎稲荷大明神
東京都文京区小日向1-26-11
急すぎてぼんやり歩いているとひっくり返るからその名がついたのだろうか。蛙坂と呼ばれる急坂を通って茗荷谷に下りてきた。地下鉄の線路が頭の上を通っている。
線路に突き当たった道が直角に曲がる角に、赤い幟をはためかせた小さな稲荷神社が建っていた。地元の人に大切に守られているのはわかるが、特に見所もない小祠だろうと思って通り過ぎようとした視角の隅に絵馬が見えて足を止めた。
こんな小さなお稲荷さんに絵馬とは、どんなご利益があるのだろう。そもそも社務所もないのにどこで調達するのかな。
ヘビ(巳)と馬(午)と羊(未)の絵馬があったので、3年分が掛けっぱなしになっているようだ。書かれた願い事はさまざまで、身の回りの小さな幸せを願うものばかり。地域の人たちのささやかな暮らしの一端が垣間見えて、少しほっこりとした気分になった。