2015年6月2日(火)

裂 石

山梨県甲州市塩山上萩原2715-23 裂石温泉付近

オブジェ

雲峰寺をあとにしていよいよ大菩薩ライン(青梅街道)にはいる。走り出していきなり、挨拶代わりのヘアピンカーブが現れた。この先、傾斜が急なところではこうして高度を稼いでいくんだろう。

展望

重川を渡りヘアピンカーブで戻ってきてもういちど渡り返す。橋の上からいま来た道を振り返ったら塩山市内が見えるかと思ったが、もうあたりは山ばかり。これから帰ろうとしている場所との景色のギャップにめまいがする。

橋を渡ると裂石温泉の入口がある。左手の奥には裂石観音が祀られた一角があり、その隣りに小説・大菩薩峠の作者中里介山の記念館があった。温泉の関連施設のようだが営業をしている気配がない。手持ちぶさたで振り返ると、反対側の広場で黒光りする怪しいオブジェが手招きをしている。蟹のハサミが地面からニュッと突き出されたような格好だ。

由来碑の文字は消えかけて読みにくいが、裂石の地名にちなんで平成元年(1989)に設置されたモニュメントらしい。本物の裂石は桃太郎の桃のようにぱっかりと割れているが、このオブジェの切断面は稲妻形をしている。

岩を切り裂くエネルギーの表現とも、抱き合う道祖神二人のイメージともとれるけれど、やっぱりわたしの見立ては地底怪獣が今まさに現れようとして地中からハサミを突き出したところ、だな。