2015年6月2日(火)

鴨 沢

山梨県北都留郡丹波山村鴨沢

二十三夜塔

山梨県側最後の集落、鴨沢までやって来た。都県境には古い石碑が三つ。中央の大きい廿三夜塔(二十三夜塔)には嘉永七年(1854)の銘があった。

鴨沢

甲州裏街道の別名をもち昔から往来のあった青梅街道だが、旧街道は奥多摩湖ができたときに湖底に沈んでしまったので、街道沿いの家も石造物も旧地から移転してきたものだ。ぞんざいに空き地にまとめられた石碑や石仏もあるが、ここの三基は立派な石積みの台の上に据えられて大切に祀られている。県境の地にあって、塞の神として集落を守ってもらいたいという、人々の願いが込められているのだろう。

右写真奥の木造二階建ての建物には「湖望閣」という看板が掲げられていた。手前の白い建物にも同じ名前が付いていて、レストランか民宿をやっているようだったが、あまり注意を払わずに通り過ぎてしまった。あとでネットで調べてみると、かつてはここに湧く清水で「双鴨」という日本酒が造られていたのだとか。

趣のあるたたずまいだな、とは思ったけれど、もっとちゃんと見てくれば良かったかな。

御神水について(2019.4.3.再訪)