タグボート
東京港 (視察船「新東京丸」より)
タグボートの船体には、接岸や他の船に接触する際の緩衝材(フェンダー)として古タイヤが付いている。物資の乏しかった昔ならいざ知らず、今の時代ならもっとデザインも良くて高機能なフェンダーが有りそうなものだが、それらしいものを見たことがない。と言うか、タイヤが付いていないとタグボートらしくない、とすら思ってしまうほどアイコンとして目に焼き付いている。
タグボート(tugboat)のタグ(tug)の意味は「強く引く」。引き船とも言われる通り、道先案内船として大型船を牽くのが仕事だとばかり思っていたが、「押す」こともあるのだと初めて知った。
そう言われてみれば確かに左写真のタグボートは船を押して進んでいる。
小回りの利かない大型船の接岸や発進を助けたり、狭い港内を自在に航行させるためには、押したり引いたりいろいろな手を使わなければならないらしい。大型船の船体に描かれた白い四角は、「ここを押して下さい」というターゲットなのだそうだ。
なるほど。そんな時、あの古タイヤが役に立つわけだ。