岡田港
東京都大島町岡田5
朝5:00に岡田(おかた)港に着いた。どやどやと降り立った観光客たちはあっと言う間にどこかへ吸い込まれ、船も次の利島へと出港していった。取り残されたわたしが自転車を組み立て終わって辺りを見回すと、早朝の港町は何事もなかったかのように静かに眠っているように見えた。
港のまわりにある平地は桟橋と駐車場だけ。走り出して2秒も経たないうちに道は上り坂になった。ウォーミングアップにしては急すぎる。アップダウンの多い大島周回道路の、挨拶代わりの一撃に目が覚めた。
標高差80mを一気に登って大島一周道路(都道208号線)に出る。泉津方面に左折してすぐ、「港が見える丘」の看板を見つけて左に分かれる道に入った。この先の川の道トンネルができる前まで利用されていた旧道のようだ。
「港が見える丘」は丘でもなんでもなく、道路脇の木が刈り取られただけの展望道端だった。正面に岡田港、その向こうに富士山がきれいに見える。ぼんやりと一周道路を走っていたら見逃した絶景だ。上り坂で目を覚ましておいて良かった。すぐ先には展望台(富士見台)もあった。入口には「椿の少女」の銅像が建ち、あずまやもあるので期待して行ってみると、港側に木が茂って何も見えない。なんでやねん。
船の発着が岡田港か元町港かはその日の天気次第と言うことだったが、今日は帰りも岡田港発になった。午後の岡田港も、人影はまばらで閑散としている。到着したときの静けさは、早朝のせいばかりではなかったようだ。