筆 島
東京都大島町波浮港港淵
岡田港を出発してすぐに山に登らされたので、海らしい海を間近に見るのは初めてだ。青い海に白い波。こういう景色を見ると、「旅に来たなぁ」という感じになる。そしてなによりも海にポツンと立った奇岩。礼文島で見たローソク岩とか、山陰の海上アルプス(青海島)もこんな感じだったな。スケールは違うけどね。
遙か上方に見上げる三角形のピークから山が一気に海へと切れ落ちている。地図で見ると頂上の標高は349.8m。あのすぐ裏を通っている一周道路から一気に駆け下りて来たわけだ。苦労して登った甲斐のある痛快なダウンヒルだった。
筆島を望む展望台のすぐ脇に二連の土管型シェルターがあってビックリした。三原山からも遠くここまで噴火の被害が及ぶことはないと高をくくっていたのだが、世の中そんなに甘くはないようだ。今はその気配もないが、筆島は大島の中でも最も古い火山遺跡の一つなのだという。
筆島火山自体はもう活動をすることはないだろうと思われるが、大島を含む伊豆諸島全体の火山活動はまだ休止していない。御嶽山や口永良部島など各地で火山活動が観測されている最近の状況を鑑みれば、油断は禁物だと認識を新たにした。