2015年7月21日(火)

裏砂漠入口

東京都大島町泉津字原野1-3

シェルター

標高0mの岡田港から始まった大島周回サイクリング。泉津集落から一本調子の急坂を登って標高350mを越えた辺りでやっと落ち着いた。しばらく350m前後の、今までに比べたら「平ら」と言ってもいいような、道を行く。

裏砂漠入口

いつの間にか沿道の木々の背丈が低くなって、青空の下を走るのが気持ちいい。その木々の向こうから、ちらりちらりと黒い砂山が顔を覗かせている。地図には道の西側一帯に「奥山砂漠」「裏砂漠」の文字が見える。

道端に、唐突に大きな土管を輪切りにしたようなシェルターが現れた。あっ、そうか!大島は火山島だったんだな、と今さらながらに気が付いた。

シェルターの向かい側には谷に沿って溶岩が流れてきた跡が黒々とついている。ハワイ島や軽井沢(浅間山鬼押出し)で見た溶岩の跡はごつごつとした岩原だったけれど、ここで見る溶岩の跡は黒い砂。「砂漠」の名はこれに由来している。シェルター前のバス停の名は「大島大砂漠」。日本で正式に「砂漠」と呼ばれる場所は、鳥取(砂丘)でも九十九里(砂浜)でもなくここ大島だけだそうだ。

ちょうど7時を過ぎたところだったので、シェルターの日陰で朝食にした。ふと気付くと、今まであんなに大きな声で鳴いていたウグイスもセミもなりを潜めて辺りを静寂が包んでいる。そういえば走り始めてから人にも車にも会っていない。

火山の爆発で誰もいなくなった無人島に一人残されたらこんな感じなのかな。そんな思いが頭をよぎった。

ジオパークの説明板 | ハワイの溶岩原