地層切断面
東京都大島町野増字エンシュウアイノウ
目の前にあるバス停の名前はズバリ「地層切断面」。国土地理院の地図にも地名として記載されている。一周道路に沿って長さ630m、高さ24m程に渡ってダイナミックな波模様が続く様は圧巻だ。昭和28年(1953)道路建設工事中に偶然発見されたのだという。
通称「バームクーヘン」。何万年という歴史のなかでくり返されてきた大島の噴火史を記録した地球の年輪だ。
この付近はゆるゆると続く長い上り坂で、日陰もなく、海風にむち打たれて結構しんどい思いをする。今回渡島して実際に目にするまで、大島には「アンコ椿」に代表される美しく穏やかなイメージを持っていたのだが、砂漠や地層断面を目にし、アップダウンの多い行程にしごかれて、荒々しい火山の島だということに改めて気付かされた。それが思いのほか楽しい。
そういえば、子供の頃に見た「ひょっこりひょうたん島」(1964-69、NHK)も「冒険ガボテン島」(1967、TBS)も舞台になった島は火山島だった。大島に来て見る火山の遺跡にワクワクしているのは、そんな幼少期の刷り込みのせいかな。