2015年9月13日(日)

盛 り 土

宮城県本吉郡南三陸町志津川五日町周辺

グランドキャニオン

曲がり角を曲がって目に飛びこんできた景色が、私にはグランドキャニオンに見えた。草木の生えない赤茶けた山が幾重にも重なってそびえている。

坂道標識

その山の間を縫うように進んでいく道の両側に迫る山は、津波対策のために盛り土された造成地だ。

5%の坂道標識があった。5%なんて、今までに走ってきたリアス海岸沿いの坂道に比べたらなんでもないように思うけれど、これが急坂だと言われるぐらいに、元々このあたりの土地は平らだったのだ。

八幡川河口周辺の平地に人が集まり、そこを津波が襲い、志津川地区では東日本大震災の被災地の中でも最悪のクラスに入る被害があった。すべてが薙ぎ払われ、その跡を今盛り土が覆っている。

人々がここに戻ってくるのは、ずいぶんと先のことになるだろう。まずは高台に住宅を建て、安定した生活基盤をつくることが優先されるだろう。低位の地域には、土地が嵩上げされても人は住めない。商工業地として復興されるこの地域が、再び賑わいを取り戻すのはいつのことになるだろうか。