旧沼田家武家住宅 / 一関教会
岩手県一関市田村町2-18 / 2-14
予定していた新幹線に乗り遅れたので、次の気仙沼行きまで一ノ関駅で2時間近く待つことになってしまった。仕方がないので一関の町を見に行くことにする。
駅前に立っていた観光モデルコースの案内地図に「旧沼田家武家住宅」「大槻玄沢邸跡」などの名称が見えたので、古い町並みが残る風情のある地方都市を想像して歩き出したのだが、並んでいるのは新しいビルばかり。見るところが全然無いなぁと思っているうちに、旧沼田家武家住宅に着いた。その一軒おいた隣には下見板張りのハイカラな教会堂。江戸時代後期と昭和初期の歴史的建造物が仲良く並んで建っていた。
それぞれの説明板には「たび重なる水害にも耐えて」「1947年、48年の大洪水にも耐えた」と書かれている。
町を囲むようにして流れる磐井川は、これまでにたびたび氾濫して人々を困らせてきた。なかでも昭和22年(1947)のカスリン台風と翌23年のアイオン台風の際の被害は甚大で、そのために、街中に古い建物が見あたらないのだという。その災禍をくぐり抜けてきた建物なのだ。
町はみごとに復興して、水害の気配はどこにも感じられない。振り仰ぐ空は青く輝いて、一関の人たちが取り戻した平和な暮らしを祝福しているように見えた。