2015年9月12日(土)

釣山公園

岩手県一関市釣山地内

萩

一関は小さな町だ。

そんなはずはない。岩手県第二の大都市だというかも知れないが、新幹線の駅を出ていくらも歩かない内に磐井川に行き当たり、見所はそこまでの間におおよそ集まっている。その一番奥にあるのが釣山公園だ。

磐井川

小高い山になった公園からは一関市街の眺めがいい。戦の際に物見の砦としても、為政者が居館として領地を一望するにも適した立地だと思うのだが、明確に「一関城跡」とは名乗っていない。戦国時代以前には砦などが築かれたこともあったようだが、江戸時代の一関藩主田村氏は居館を公園下の、現在は裁判所などが建っている場所に設けており、ここは城山にならなかった。

眼下に目をやると、さすがに駅の方向にはびっしりとビルが建て込んでいるけれど、北の方、磐井川が北上川に合流する辺りを見ると広々とした田んぼが広がっている。うっすらと金色に色づいて収穫を間近に控えている様子だ。

春には桜の名所として賑わう公園もほかの季節には訪れる人もないのか、園路の石畳は苔むして、かえってそれが良い雰囲気だったりもする。ハギの花が誰にも愛でられることなく、ひっそりと咲いていた。

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