熊野神社
東京都八王子市東浅川町1105
イチョウ並木がきれいに色づき始めた甲州街道と町田街道が交差する角にある熊野神社には、珍しいものがいくつかある。
まず初めは笠木の上に瓦が載った鳥居。由来書きによると寛延二年(1748)の建立以来何回か建て直されているが、当初からこの形を継承しているという。その鳥居をくぐって境内にはいるが拝殿が正面にないところも変わっている。そもそも本殿は甲州街道に背を向ける形で建っているが、昔のこの辺の地理はどうなっていたのだろうか。
本殿の右には六地蔵ならぬ六境内社。左端のお杓文字様だけ大きさが違うので、同じ時期に造られたものではないと思われるが、何かのタイミングで一緒に祀られたようだ。たまたま見回りに来ていた氏子総代の方のお話しによると、日露戦争の時らしい。
そして本殿の左に聳えているのが、カシとケヤキの根元が一緒になった相生の木。同じ種類の木が合体していると「夫婦(めおと)○○」と呼ばれるけれど、樫さんと欅さん、まだ名字が違うから恋人同士、縁結びの木ということになっている。でも、もうそのまま何十年、もしかしたら百年ぐらい経っているのかもしれない。歴史を先取りして夫婦別姓を実践しているのかな。