2015年11月6日(金)

煉瓦造りの中央線

東京都八王子市高尾町1762付近

トンネル

甲州街道が南浅川を渡る、その上をJR中央線が越えていく両界橋から川の上流側を見ると、川の両岸に岩がせり出したちょっとイイ景色が見える。昔は「西浅川の古淵」と呼ばれる景勝地だった(※)ようだが、今はもうその面影も微かになっている。

橋脚

中央線の橋脚を見ると煉瓦造りになっていた。この区間の中央線が開通したのは明治34年(1901)のこと。その頃のままなのかどうかはわからないけれど、山の景色に似合ったほのぼのとした雰囲気だ。

甲州街道からはずれて東京側に少し入ったところには線路をくぐる煉瓦のトンネルも残っている。小さなトンネルの先には民家が一軒だけ。この家に入る専用道のように見えるけれど、道は用水も兼ねていて、50mほど上流で南浅川に流れ込む枝沢を堰き止めて引いた水がトンネルの中を流れている。堰からあふれた水は滝となって古淵に落ちていて、人工的ではあるけれどいい景色だ。紅葉がもう少し進んだら、案外、隠れた絶景が楽しめるかもしれない。

※ 「ふるさと八王子」昭和55年八王子市発行による