豊展観守像
東京都千代田区神田錦町1-29-10 神田橋公園
桜が咲いている。日比谷通りと本郷通りの境目、神田橋交差点からなんの気なしに皇居方面を見たら、逆光の光を透かして寒桜がキラキラと輝いて見えた。
ん、キラキラ?
木の下に、別の意味でキラキラ輝く金色の物体が鎮座している。カエル人間のような怪しい姿。一体これはなんだろう?
台座の説明によれば、「こがね虫と人間の擬人化」したものだという。
♪ 黄金虫は金持ちだ金蔵建てた蔵建てた (作詞:野口雨情)
子供の頃、こんな童謡を歌った憶えがある。その金持ちのこがね虫が、千代田区が「豊」かに発「展」するようにと見(「観」)「守」っている図なのだそうだ。
政治や経済の中心である霞ヶ関や丸の内があり、そしてなによりも皇居をその中心に据える千代田区は、区であって区でないというか、日本そのもののようなイメージがある。その発展を見守るということは、日本国の未来を見つめているということでもあるのだろうと思うけれど、このこがね虫くんの顔つきはそんなことには興味がなさそうな、なんとも頼りない顔つきだ。
お金持ちって、そんなものなのかな。