梅のマンホール
埼玉県入間郡越生町
関東三大梅林の一つに数えられる越生梅林は今が見頃。週末の行楽に訪れる車があとからあとからやってくる。見つけたカラーマンホールは、歩道のない一般道にあったので写真を撮るのも命がけ(ちょっと、大げさだけど)だ。
越生(おごせ)は生産量、出荷量ともに埼玉県一の梅の産地だそうだ。観光梅林のほかにも町中の至る所で梅の花を見ることができる。マンホールにも白梅が満開だ。
先日テレビを見ていたら、梅見は夜がよい、という話をしていた。今のように夜が明るくなかった時代の人は、星明かりの下でほのかに見える梅の花を愛でながら、その香りを楽しんだのだという。限られた光の中では視覚よりも嗅覚が敏感になる。五感を駆使して自然と対話することなんて、現代では味わうことが難しい贅沢な楽しみ方になってしまった。
このマンホールを見た時に、ちょっと彩りが寂しいなと思ったけれど、夜の梅だと思えばまた趣が変わってくる。山里の越生なら、今でも夜の梅を楽しむすべがあるだろうか。