谷保のハクモクレン
東京都国立市谷保6124
ハクモクレンには青空が似合う。白梅では花が小さすぎるし、桜では色と色が喧嘩する。何にも染まらない純白の花こそが、紺碧の空に映えて美しい。
谷保に大きなハクモクレンの木があると聞いて訪ねてきた。今日は風が強いので雲が飛んできれいな青空だ。
根元から数本に分かれた株がさらに枝分かれして大きく広がった姿が、遠目にもよく目立つ。公園や並木道を飾る桜と違って、ハクモクレンは個人宅で見かけることが多いので、写真を撮って良いものかどうしたものか悩むところだが、今回は畑も含めた田園風景を撮ったということでお許し願いたい。
梅はまだ寒さを我慢して咲いている感じがする。桜はもう春爛漫だ。ハクモクレンやコブシはその間の時期に、春が来たぞーと大きな声で知らせてくれる存在だ。だんだんに暖かくなって春への期待がふくらむ時期。ハクモクレンの、閉じ加減で少し脹らんだ花の中に、その期待が詰まっている。