里山民家
東京都武蔵村山市岸2-32
写真を撮っていると、庭掃除をしていた係の方に話しかけられた。
「この民家は2000年(平成12年)に新築で建てられたんだよ」
えっ!?文化財の保存家屋じゃないの?
野山北・六道山公園のシンボルとしてパンフレットなどでもメインで紹介される施設だが、そう言われてみれば確かに「里山民家」とは中途半端な命名だ。ほかのところなら「旧○○家住宅」といった名称になる。
お話しによれば、この奥の宮野入谷戸の環境保全活動をしていたボランティアの人たちの活動拠点(平たく言えばご飯を食べたりトイレに行くところ)として、市内に実在した民家をモデルにして新しく建てられたのだとか。市民の憩いの場として里山体験や昔遊びなどのイベントも数多く開かれていて、今日も障子の奥から子どもたちの走り回る音や歓声が聞こえていた。
古いから良いとか新しいからどうとか言うつもりはないけれど、以前から存在が気になりながらも訪ねてみようという食指が働かなかったのは、その辺の雰囲気を無意識のうちに感じていたのかな。
でも、間に合わせの掘っ立て小屋や場違いな現代建築なんかにならなくて良かった。ちょっと大きすぎる気もしないでもないが、谷戸に広がる田んぼと周囲の里山に似合った心温まる風景を演出している。