3110.恵林寺

恵林寺

山梨県甲州市塩山小屋敷2280

境内には武将たちの幟がずらりと並んでいる。武田信玄の菩提寺、というよりは「本陣」という趣だ。

境内の桜は散り始め。赤門と三門の間、参道の両側に池を配した庭園では降り積もった花びらが地面を覆い、池面にも散り敷いて風情がある。

甲斐武田家は信玄亡き後、その子勝頼が権勢を維持できず、戦国武将たちの権力争いに敗れて滅亡した。境内を埋める桜の散り様は、その武田家の最後を彷彿とさせる。

桜のように散ったのは武将たちだけではなかった。恵林寺は信長に敵対する武将たちを匿ったために焼き討ちに遭い、100人以上の僧侶らが犠牲になったという。その際に快川国師が発したとされる言葉が、「心頭滅却すれば火もまた涼し」ということわざとなって伝えられている。

（参考）2016年の東京の桜開花宣言は、3月21日でした。