節句の幟
山梨県甲州市 / 山梨市
最近、鯉のぼりは絶滅危惧種であるらしい。少子化もさることながら、マンションはもちろん一戸建てでも敷地一杯に家を建てる傾向にあるようなので、鯉のぼりを泳がせる場所がないのだ。泳ぐ場所の無くなった鯉たちは公園や河原に集められて、運動会の万国旗のようにイベントの出し物として飾られるようになった。
山梨県では武田信玄の「風林火山」の旗指物にあやかったのか、武者絵や金太郎などが描かれた武者幟が飾られる。学生時代に山登りに来て山里のあちこちに幟が立つ景色を見た時には、「すわ、合戦か!?」と驚いたものだったが、ほかの地域でこの幟を見た事がない。
鯉のぼりに比べたら省スペースで現代向きだと思うのだが、どうだろうか。
今日は山梨市と甲州市をポタリングしてまわって、2軒の家で節句の幟が立っているのを見つけた。まだ1ヶ月前なので出されていないのか、少子化で節句を祝う家が減ったのか。ちょっと寂しく思ったけれど、甲州の武者幟がまだ健在な事を確認できたのは安心した。子どもたちが元気に、健やかに育ちますように。お節句を祝える幸せのお相伴にあずかって、山里を走るペダルが軽く感じられた。