旧田中銀行博物館
山梨県甲州市勝沼町勝沼3130-1
銀行ではお金以外のものも預かっていたと初めて知った。右の写真は旧田中銀行博物館の裏庭で、銀行の社屋の後ろに、暗くなって見にくいけれどレンガ造りの土蔵があり、それに並んで桜の木の横に見えるのが繭蔵だそうだ。
田中銀行が営業していた大正から昭和の初めにかけては、生糸産業に勢いのあった時期だったので、繭は貨幣と同等に扱われていたのかもしれない。
擬洋風の洒落た外観だけに惹かれて訪ねたのだが、管理されている方が丁寧に説明をして下さったので、普通に見学するよりも数倍楽しく見学することができた。
扉の全面を飾る木目模様が、実はペンキで描かれたものだとか、鉄柵の模様に「田」「中」の文字が隠れている、などという小ネタは聞かなければ見過ごしてしまうだろう。銀行のあとには皇族(北白川宮)の疎開先となったという、そのゆかりの品々も興味深い。
いつもはできるだけ人との接触を避け、傍観者として吹き過ぎる風のように振る舞うわたしだけれど、たまにはこういう出会いも悪くないかな。