関のかんかん地蔵
東京都練馬区関町東1丁目18番地先
携帯電話が鳴って足を止めた。バッグの中にしまった電話を探してもたもたしているうちに電話は切れてしまう。「ちぇっ」と思って横を見たところに、お地蔵さんが立っていた。
「かんかん地蔵」と説明板に書かれている。電話に呼ばれて見つけたのに「りんりん」じゃなくて「かんかん」。どうでもいいけどなんだか可笑しい。
足元が白くなっているのは、お詣りに来た人に「かんかん」と叩かれ削られた跡らしい。台座の上には叩くための石まで置いてある。どこへ行ってもお地蔵さんはいじめられっ子だ。
地蔵堂の中にいくつも並んだ立派な額が気になった。よく見るとお賽銭の領収書であるらしい。「受納證 地蔵堂参詣者殿 (中略) 三寶寺」とある。お地蔵さんの前に置かれた吸い殻入れのような缶(カンカン!?)に、落書きのような字で「賽銭箱」と書いてあった。粗末な賽銭箱と立派な領収証。その落差にまた笑ってしまった。