2016年7月24日(日)

高嶺の花(ヤマユリ)

東京都西多摩郡檜原村神戸8080-2 神戸岩(かのといわ)

ヤマユリ

「高嶺の花」とはどんな花だろう。

エーデルワイスのように清楚で可憐なイメージか、ヤマユリのように華麗で強いイメージか。いずれにしても、気高く凡人を寄せ付けない、気品に満ちた花なのだろう。

高嶺の花

昔話か何かで、人跡未踏の高山に幻の薬草を探しに行く話を聞いたことがある。やっと見つけた薬草は、誰も近づくことのできない断崖絶壁の中腹に可憐な花を咲かせていた。神戸岩のヤマユリは、まさにそんな感じで険しい岩壁の高みからわたしを見下ろしている。

高い山に咲いているというだけなら、わたしも北アルプスの稜線に咲く高嶺の花、高山植物の女王と言われるコマクサを見たことがあるが、このヤマユリにはとても手が届かない。これが求める薬草なら、人助けをする前にこっちが死んでしまう。

そうしてわれわれは高嶺の花を遠くから眺めるだけなのだが、何人たりとも近づくことを許さず孤高を貫く花たちは、寂しくないのだろうか。