2016年7月30(土)

朴木橋下流の滝

東京都西多摩郡奥多摩町大丹波498 の 上流

滝

森の精が水浴びをするならこんな場所だろうか。

大きな石に護られて、すべての恐れと緊張から解放されて自由になれる所。なにも憂えることなく、大好きなおじいちゃんの膝の上でうたた寝をするような気分。

そんな穏やかな雰囲気がこの滝のまわりには満ちている。

連瀑

滝沢の音は大きいけれど不思議に静けさを感じる。喧しい蝉の声に包まれた山寺で閑さを感じた芭蕉の気持ちが、おこがましくも、わかるような気がする。

大丹波川(おおたばがわ)沿いにます釣場やキャンプ場が並んでいるのを地図で見て、何かあるかもしれないと思って走ってきた。キャンプ場には人が一杯で近寄れず、期待したような立ち寄りポイントもないまま、そろそろ自転車で登るのも限界かなと思ったところで沢の音が一段と大きく聞こえてきた。滝がある予感がする。

朴木(ほおのき)橋手前の東京都水道局大丹波沈砂池前に自転車を止め、微かな踏み跡をたどって沢に下りてみると、果たせるかな小さな滝がいくつも連なって落ちる景色に出会った。その最下段に落ちていたのが、左写真の滝だ。広い滝壺で足を冷やし、石の上に座ってお弁当を食べた。なんだかとっても幸せな気分。

滝は小さくて、ちょっと無理をすれば登れそうな気がする。そのままその上に続く小さな滝を登り渓谷を遡って橋の下まで行ったら楽しいかと思ったが、自転車乗りの領分を越えているなと反省して、今日はおとなしく帰ることにした。