2016年8月16日(火)

葬場殿址の楠

東京都新宿区霞ヶ丘町1 (明治神宮外苑)

碑

クスノキ(楠)を、はっきりそれとして意識したのは社会人になってから。九州出張の折に、寺社や公園にあるやたらと大きな木が、フケだらけの青年のように白い粉を吹いたような姿をしていたのを奇異に思ったのが最初だった。

樹形

クスノキは5月頃そうして花を咲かせるのだけれど、東京では見たことがなかったので驚いた。特段珍しい木ではないが、西日本に多く、Wikipediaの記事によれば全体の80%が九州に生息しているのだという。「楠」という字は、南方の木という意味を表す和字(日本製の漢字)だそうだ。

神宮外苑の絵画館裏に明治天皇の葬場殿跡があるというので、来たついでに見ておこう、ぐらいの軽い気持ちで立ち寄ったのだが、植えられたクスノキを見て一目惚れしてしまった。仰ぎ見る雄姿も立派だが、離れて見るとまん丸い樹形がかわいらしい。

九州には何度も行く機会があり、長く滞在する時には休みの日に周辺の名所旧跡を見て回ることも多かった。行く先々でクスノキの大木に出会うと、なんだかホッとする気持ちがしたことを思い出す。大きく、いつも豊かに葉を茂らせる姿に、どっしりと大きく雄々しい父や包容力に満ちた母の姿を見ていたのかもしれない。

そんなことを、ふと思い出した。

葬場殿址の説明板