2016年8月31日(水)

広瀬の大なら

山梨県山梨市三富川浦1818-57付近

広瀬の大なら

広瀬湖の上流端付近に固まっている広瀬集落のなかほど、雁坂みちが谷渡沢を渡る北側に古い小楢の木が大切に守られている。最近折れたばかりのように見える生々しい傷跡が何ヶ所かあるけれど、青々と茂った葉は豊かでまだまだ元気でいるようだ。

穴

傍らの説明板によれば「山の神」が祀られているのだという。しかし、鳥居や祠の類はなく、ただ二本の杭に綱(注連縄?)が渡されているばかり。前に置かれた机は、お供え物を置く台だろうか。

幹の正面に穴が開いていて、神様はその中にいるらしいのだが、穴が小さくて中は全く見えない。というか、この中に何かを祀るのは難しいんじゃないかな。昔は大きかった穴、または裂け目が、時が経つにつれて埋まってしまったものだろうか?

そんなわたしの考えのあれこれに、コナラの古木は「そんなのどうでもイイじゃん」とでも言いたげに堂々と空を仰いで立っている。古木がわたしに教えてくれることはいつも同じだ。世の中に煩いなんてなんにもないんだよ、と。

ここから200mほど行ったところに、雁坂峠を越える旧道(登山道)の入口がある。雁坂トンネルが開通するまで、車はこの辺りまでしか来られなかったのだ。

(三富村教育委員会の説明板) : 広瀬の大なら | 雁坂峠