2016年10月30日(日)

芝栄太楼

東京都港区芝大門1-4-14 芝神明 榮太樓

榮太樓

最初の出会いが大阪万博の「太陽の塔」だったから、長いこと岡本太郎は立体造形作家だと思っていた。

もちろんそれは彼の一面でしか無いことを今は知っている。絵も描いたし、字も書いた。

字?

そう、本を執筆したという意味でもあるけれど、「書」も成している。その作品の一つが、芝大神宮門前の和菓子屋さんの看板に躍っている。先代の店主が太郎と戦友であった縁で、昭和60年(1985)に創業100周年を記念してビルを新築した際に制作されたものだそうだ。

独特の爆発文字は、絵から生まれた象形文字が更に進化してまた絵に戻っていく途上のような不思議な雰囲気を漂わせている。中でも栄の字は冠のツの部分がにょろにょろと伸びて異次元からやって来た謎の生物のようだ。

この看板文字は国道(第一京浜)側にあるのだが、お店はその裏側の路地に面している。しかも間口二間ほどの小店舗で日曜日(今日)は休業ということで見つけるのに苦労した。土曜日も半ドンらしいので、名物の江の嶋最中を手に入れるなら平日に訪ねるのが良さそうだ。