2016年11月6日(日)

竜田駅

福島県双葉郡楢葉町大字井出字木屋126

下りホーム

飛行機に乗ると、旅に出たなぁという感じがする。文字通り「時空」を越えて日常と切り離されることが旅の醍醐味だと思う。

どこの駅にも止まらず、高速に、遥か遠くへわれわれを運んでくれる特急電車も、飛行機に準じた非日常性を演出してくれる。

駅舎

だから、今回は、敢えて各駅停車でやって来た。帰宅困難区域という非日常の場所が、私の暮らす場所と地続きの、日常の延長であることを確かめたくて。

北千住、柏、荒川沖、日立、何度か降り立ったこともある見知った駅に止まりながら、列車は北上していく。通学の高校生や営業のサラリーマンが乗り降りする普通の生活がそこにある。

しかしその旅も竜田駅で途切れた。線路の上に渡された跨線橋が、まるで国交のない国との境に設置されたバリケードのように頑として行く手を阻んでいる。この先は福島第一原発周辺の帰宅困難区域や居住制限区域だ。日常の地平はここでぶっつりと切断された。

駅舎も駅から見える風景にも全く変わったところが無いだけに、いっそう、このバリケードの違和感が際立つ。不謹慎な言い方で申し訳ないが、むしろ、津波で流された三陸鉄道のように以前とは全く違った景色になっていたら納得できるのに。

怒るべきなのか、悲しむべきなのか、わたしはどうしていいかわからず、ただ呆然と立ち尽くすしかなかった。

木戸八幡神社 (復興支援 楢葉・広野紅葉サイクリング) ゆず太郎