木戸川のサケ漁
福島県双葉郡楢葉町大字前原字中川原68 木戸川漁業協同組合
木戸川のサケ漁は「合わせ網漁」と言う。河口近くに設置したやな場でサケの遡上を堰き止め、川幅一杯に広げた網を下流に向かって流して、100mほど下流側に張った網にサケを追い込む漁法だ。
左の写真で川の中に見える、横に並んだ4、5人の人影が広げた網を引いてサケを追い込んでいる漁師さんたちの姿だ。
漁は震災以降中断していたが、去年から再開したという。サケは3〜6年で生まれた川に戻ってくると言われているが、中断の間、人工孵化による稚魚の放流ができなかったため、現在遡上しているサケは自然産卵・孵化によるもの。今年のサケは震災の当年あるいは翌年生まれと見られ、漁獲量は震災前に比べて激減しているそうだ。最盛期には追い詰められて跳ねるサケの大群で騒然とした景色になったと言うが、今日は「サケはどこにいるんだ?」と探すほど静かだった。
小さい写真ではわかりにくいが、漁場から河口とその先の海(水平線)が見える。海に近いため遡上にエネルギーを使わず傷んでいないので、脂の乗ったおいしいサケが特徴だそうだ。
避難指示が昨秋解除され、今年の春から稚魚の放流が復活した。戻ってくる頃には町の復興も進んでいるだろうか。賑やかになった町に、大挙してサケたちが戻ってくる。そんな景色を早くみたい。