フジキ(ヤマエンジュ)
東京都あきる野市引田776 リバーサイドパーク一の谷
ひからびた枝豆のような、茶色くなったサヤがいくつも枝から下がっている。それが秋の陽を浴びてキラキラと輝いている様子は、金細工のクリスマスツリーのようだ。
藤のような花を咲かせるのでフジキ(藤木)という名で呼ばれている。ぐにゃりと曲がった枝振りも藤の蔓を思わせる。
今までに何度もこの横を通っているのに、気に留めたことはなかった。花が咲くのは梅雨時の6〜7月だから見たことはないかもしれない。特に大きくも古くもないので、花が咲いていなければ、特に印象に残るようなものではなかったのだろう。
それが秋のこの時期、今こそわたしを見てとばかりに輝いている。赤や黄色に色づく葉はないけれど、金こそ最強でしょ、と言わんばかりの強烈アピールだ。
今日、ここまで来る途中に、多摩サイのどこかで一本見た記憶がある。それほど数は多くないし、いつでもその姿を見られるわけでもないのに記憶に残る。そんな木、そんな景色、そんな人に出会いたい。