一番街の洋風建築
埼玉県川越市仲町6-4(カフェエレバート)、6-6(保刈歯科醫院)、幸町2-15(法善寺聞信会館)
蔵造りの街並みが有名な川越の街は、洋館の宝庫でもある。川越観光のメインストリート、一番街を南から見てみよう。
仲町交差点の角に建つ龜屋(山崎美術館)の斜め向かいに並んでいるのは、大正4年(1915)築の旧田中家住宅をリノベーションしたカフェエレバートと、昭和11年(1936)築の旧山吉デパート(現・保刈歯科醫院)。川越を代表する丸広百貨店は、この山吉デパートから始まった。
旧田中家は、実は洋館ではなく、土蔵の正面を化粧した看板建築だ。
旧山吉デパートはこの先に建つ旧第八十五銀行本店(現埼玉りそな銀行川越支店)と同じ保岡勝也の最晩年の作品で、旧山崎家別邸、川越貯蓄銀行(現存せず)と合わせて川越四部作といわれている。正面のレリーフやステンドガラスが美しい。
その埼玉りそな銀行の手前、法善寺の門口にある法善寺聞信会館は、昭和2年(1927)築の建物を平成24年(2012)にリニューアルしたもの。以前はきんかめ時計店といい、「ないものはない」という看板が有名だったそうだ。